リーダーへの一言コラム

セルフイメージ、奇跡の実感!

ミスター・プレッシャーから鉄人へ10)…………………………
 
「自分自身を今までと違った目で見だした」
これがこの年、私達に奇蹟を起こすことになるんです。
………………………………………………………………………
 
オープン戦に入る前にルーツ監督は、我々に次のように聞きました。
 
「チャンピオン・チームにふさわしい選手だと思える者は手を上げろ!」
 
『…(チャンピオン・チーム?
 そんなこと言われても25年も優勝したことのないんだぜ)』
 
当然誰も手が上がりません。
そうするとルーツ監督はものすごい勢いで怒りました。
 
「お前達は何のためにこの1ヶ月練習したんだ?
 何のためにミーティングしてきたんだ?
 お前達が、そんなに自信がないならグランドへ直ぐ行って、
 自信がつくまで練習して来い!」
 
それはそれは今までにない強烈な怒り方でした。
 
「いいか、やれば勝てると信じろ!
 お前達にはそれだけの力があるんだ!
 俺はお前達が勝てると思ったから引き受けた。
 指導してきた。
 だけど信じるのはお前達なんだ!
 お前達が勝つと信じなくて、どうやって勝つんだ?
 お前達が、自分を信じなくて、誰が信じるんだ?
 いいか、やれば勝てると信じるんだ!」
 
そうして怒られて初めて分かったんです。
 
『そらそうかもしれん。
 スタートする前から、負けると考えている方がおかしいんだ。
 我々は確かにルーツ監督の言うように優勝するために練習し、
 ミーティングしてきたんだ。
 優勝すると信じやってきた。
 いくら今まで優勝したことがないからといって、
 自分が「俺は優勝チームにふさわしい男だ」と言えないようじゃいかんわな。
 むしろそう思わなかったからこそ、今まで優勝できなかったんだ』
 
私と同じようにそう思った人間が、
一人二人とちらほら手が上げるようになりました。
 
しかし、それは真っ直ぐ天をさすというものではありませんでした。

くの字に曲がった手の上げ方でした。
最初のスタートはそんなものでした。
 
ルーツ監督はさらに言いました…
 
「お前達、一つだけ約束してくれ。
 笑顔を絶やすな!
 敗者には笑顔は無いんだ。
 笑顔は勝者にのみあるんだ。
 いいか、つねに笑顔だ!
 これからも笑顔が足りないと思ったら、
 練習しろ!
 研究しろ!
 自分を磨くんだ!
 そして自信を常に持つんだ!
 いいか笑顔だ!」
 
さてそんなキャンプを過ごし、
いよいよ25年間負け続けた負け犬集団の私達の
広島カープのシーズンがいよいよ始まりました。
 
ところが、今年はそんな教育を受けたものですから、
選手達皆がチームを、
そして何よりも自分自身を違った目で見だしていたのです。
 
「自分自身を今までと違った目で見だした」
 
これがこの年、私達に奇蹟を起こすことになるんです。
…………………………………………………………………………
 
■青木毅談
 
「自分自身を今までと違った目で見だした」
これこそ、意識改革が始まった証拠です。
 
自分自身に対するイメージが変わる。
 
これを「セルフ・イメージの変化」と言います。
 
セルフ・イメージとは、自分自身が自分に対して描いているイメージです。
 
私たちは自分の今までの経験や、
周りの人から「君はこういう人間だ」と言われたことを信じ、
自分はこういう人間だとイメージを持っているのです。
 
このイメージが自分自身の行動を決めつけているのです。
 
このセルフイメージを変えることができれば、
自分の行動を変えることが出来るのです。
 
それは「優勝」という意識を持って行動し、
「自分は優勝できる人間なんだ」と思えるようになれば、
セルフイメージを切り替えることが出来るのです。
 
ただ、「優勝」を目指すためには、
行動というものに論理や正当性がなければ、
イメージできないのです。
 
説明説得型営業の時代の私は、
お客様の意向を無視して、やみくもにプレゼンをしていました。
 
質問型営業の時代に入ってからの私は、
お客様の意向を聞き、それにそってプレゼンしていました。
 
つまり、「営業はお役立ちである」という論理を基に、
お客様の意向を質問で聞いた上で
プレゼンを行っているという正当性を持てるようになったのです。
 
これによって、この通りやり続ければ、
必ず成果は上がるとイメージできるようになったのです。
 
つまり、質問型営業によって「チャンピオン」を意識し、
「自分はチャンピオンにふさわしい営業をしている人間だ」と思えるようになり、
営業におけるセルフイメージの改革に成功したのです。
 
——————————————————–
 
ミスター・プレッシャーから鉄人へ11)…………………………
 
しかし…そんな、こんながあろうが…
 
私達は確かに変わっていました。
特に内面的に変わっていました。
…………………………………………………………………………
 
「優勝」を目指してキャンプを過ごし、
25年負け続けた負け犬集団の私達、
広島カープのシーズンがいよいよ始まりました。
 
今年はそんな教育を受けたものですから、
選手達皆が自分のチームを、
そして何よりも自分自身を今までと違った目で見だしていました。
 
毎年カープは「鯉」ですので、
5月の鯉のぼりが上がっている頃までは強いのですが、
所詮負け犬ならぬ、負け鯉集団です。
 
5月を過ぎると、急降下で、
順位を下げていきました。
 
優勝なんて遠いところにあったんです。
ところがこのシーズンは違った感覚で入っていったんです。
 
「確かに感覚は違う」
そんな感じです。
 
しかし、回りはそうは思っていません。
何しろ、球団創設以来25年間、一度も優勝していないですから。
 
「広島を優勝させる会」というのを著名人の方々が作ってくれましたが、
優勝なんて絶対考えられないんで、
おそらく一生この会は続くだろうなんて言われていました。

味方でさえこれですから。
ひどいもんです。
 
その上このときにユニホームも変わったんですね。
これがいけません。
「赤い帽子」なんです。
 
ルーツ監督がキャンプの初日に赤い帽子をかぶってきたんです。

その帽子には「C」というマークがあるんで、
アメリカではシンシナティーが野球の歴史の古いところなんで、
その帽子でもかぶってきたのかなーぐらいに思っていました。
 
そしたら違うって言うんです。
この赤い帽子をかぶるっていうんです。
 
「(赤…?赤の帽子?
 赤の帽子なんて小学校以来かぶったことないぞ…。
 おぃ…。えらいことになったぞー。これは…。
 俺は28才だ。28で赤い帽子はちと恥ずかしいぞ。)」
 
案の定、シーズン始まって成績が良くない時、
相手チームからも、スタンドからも、
お前達はとうとうチンドンヤになってしもうたかと笑われました。
 
これにはまいりました。
 
その上これだけ教えてくれたルーツ監督は球団ともめ、
5月の1週目に監督をやめ、アメリカに帰っていきました。
後は古葉監督が同じ路線で我々を引っ張ってくれたのですが。

しかし…そんな、こんながあろうが…
私達は確かに変わっていました。
特に内面的に変わっていました。
 
だからこの年は、オールスター戦前まで、いい位置につけたのです。
 
ところが依然、
回りのファンやチームは、
どうも今年の広島はおかしいというぐらいです。
 
強いとか変わったとか言ってくれないのです。
 
「おかしい」のです。
…………………………………………………………………………
 
■青木毅談
 
私が質問型営業をしだした頃、
まわりの仕事仲間から「おかしい」とよく言われました。
 
当時の営業は説明説得型営業がまだまだ主流でした。
 
興味のないお客様に興味を持たして、
商品を買わせてしまうのが、
営業の醍醐味、
営業マンとしての実力であり、
そのような営業マンになることが営業マンの目標でした。
 
もちろん、私も説明説得型営業で、
チャンピオンにもなった経験を持っていましたので、
そのような営業マンの実力をつけたいと思い、
頑張って営業をしていました。
 
でも、あきらかに説明説得型営業は、
疲れるのです。しんどいのです。
お客様にも歓迎されないのです。
 
そこで、思い切って、180度、営業方法を質問型に切り替えたのです。
 
質問すれば、反論ももろに食らいます。
そして、プレゼンもせずに、
あっさり、帰らないといけないこともあります。
 
説得説明型営業でチャンピオンまでとった私にとって、
一体私は何をやっているのだと思うこともありました。
 
でも、この方が営業が楽なのです。
そして、お客様とも仲良くなれ、
歓迎されるのです。
 
そして、この方が効率的で、
結果として成果も上がったのです。
 
そんな成果と実感を目の当たりにして
質問型営業を取り入れた私は、
変わっていきました。
 
内面的にも「これはいける」と変わっていったのです。
 
でも、周りそんな私に対して、
「おかしいことをやっている」という評価であり、
誰一人、私の営業法を聞こうともしませんでした。
 
——————————————————–
 
ミスター・プレッシャーから鉄人へ12)…………………………
 
「赤ヘル軍団現わる!」
…………………………………………………………………………
 
25年負け続けた負け犬集団の私達
広島カープのシーズンがいよいよ始まりました。
 
教育を受け意識改革をし、選手達皆がチームを、
そして何よりも自分自身を今までと違った目で見つめだしました。
 
私達は確かに変わっていました。
特に内面的に変わっていました。

その結果スタートそのものは悪かったのですが、
夏頃までいい位置につけたのです。
 
しかし回りの目はまだまだ信じていません。
私達も確かに今年は変わったと思いながら、
確信を持っていませんでした。
 
だからこそユニホームが「赤い帽子」に変わり、
シーズン始まって成績がでないとき、
相手チームからも、スタンドからも、ちんどんやと笑われていました。
 
そんな中、その年のオールスター戦になりました。
広島カープから大下、外木場、山本浩二と私の4人が選抜されました。

この4人が甲子園球場で大活躍したのです。
そうすると次の日の朝、スポーツ新聞を見ると、
大きな文字でこのように書かれていました。
 
「赤ヘル軍団現わる!」
 
この25年間、万年Bクラス。
回りからも自分も負け犬としか見れなかった私達でした。
 
その私達が「赤い帽子」をかぶれば、
回りには「ちんどんや」としか写らなかったのです。
 
その我々がこのオールスター戦の活躍で
「赤ヘル軍団」と表現されたのでした。
 
「赤ヘル軍団」。
 
その表現の中には、
情熱の集団、燃える集団、勇者の集団、
そして勝者の集団のイメージがありました。
 
こんな表現をされたことは、これまでで初めてでした。
 
そしてこの瞬間こそ、
今年の広島カープが違うことを回りに認めさせた瞬間なのです。
 
これは、オールスターに出なかった選手達にも俄然希望を与えました。

そして、それは、カープファンやあまり野球に興味のなかった広島市民や、
その他の多くの人々に勇気と希望の灯を灯し始めました。
 
私達はついに「我々のチームは力があるんだ!」と
信じられるようになったのです。

私達の意識がこれで完全に変わりました。

私達の目が変わり、意欲が俄然強くなり、
私達は勝者になったのです。
 
今までまるまっていた姿勢が変わり、
胸を張って歩くようになりました。
目が輝きだしました。

そう我々は勝者なのです。

その勢いが私達をますます押し出してくれました。
そしてついに…
私達広島カープは8月に首位に踊り出たのです!
…………………………………………………………………………
 
■青木毅談
質問型営業で、自分の営業法が変わり、
そして、自分の周りのスタッフにも教えだしました。
 
そんな中で、この営業法の本を出してみないかという話がありました。
 
それが角川の新書
「ビジネスリーダーの質問力」
という本でした。
 
この本は、いろんな方々、企業から反響をいただき、
質問型営業が世の中にでていくきっかけとなったのです。
 
もちろん、
企業研修の依頼をいただくようになりました。

個人で興味をもって、研修を受けたいという方も
多く現れました。
 
そして、気が付けばそこから10年。
 
すでに質問型営業の本が10冊。
ほとんどが増刷され、販売総数は10万部以上。

そのうちの7冊は韓国、中国、台湾などでも翻訳され、
海外でも増刷され、中国、台湾からも講演依頼が来るようになりました。
 
いまや、営業に携わる人であれば、
質問型営業の名前は聞いたことがあると
言ってもらえるようになってきました。
 
まさに、営業の世界で、
「質問型営業、現わる!」
となるでしょう。
———————————————————-