2022.01.25
高輪ヂーゼル 杉崎社長様
経営計画に落とし込まれた
質問型営業®の姿とは?
(円道)こんにちは、円道一樹です。「青木毅の質問型営業®」青木さん本日もよろしくお願いします。
(青木)よろしくお願いいたします。
(円道)本日はゲストとして、高輪ヂーゼル代表取締役の杉崎武春社長にお越しいただいております。
(青木)杉崎社長、ありがとうございます。
(杉崎)よろしくお願いします。
『高輪流の営業方式を求めて』
(円道)せっかくですのではじめに、高輪ヂーゼルさんがどんな会社なのかということ、お2人のなれ初めというか、出会いをお聞かせいただければと。
(青木)まず杉崎社長の会社のことをお話しいただければと思います。
(杉崎)私どもは昭和23年創業、私は2代目なんですけども、ボッシュの代理店をやっていまして、主に大型車・バス・トラックの噴射ポンプ、ブレーキ、そしてカーエアコンといったものの部品供給と修理をしている会社です。関東一円をテリトリーとして販売をしております。
(青木)もともとのきっかけっていうのがあると思うんですけど、そのへんちょっとお話をお願いします。
(杉崎)たまたま私がテレビで「社長密着24時間」という番組を見ていて、そこに青木社長が出ていらして。
(青木)あれは夜中の12時ごろの番組でしたからね。よく見ていただいて、ありがとうございます。
(杉崎)それがきっかけなんですけども、リアライズさんの担当者の方が私のほうに電話してきて、こんな研修があるんだれどもどうか?という話があったんですね。
(青木)営業したわけですね。
(杉崎)私ども、新入社員研修とか、管理者研修とか、女子社員研修だとかいろいろやっているんですけれども、高輪流営業方式というのはなかったんですね。営業マンは自分なりの営業をしていて、後輩が入ってくるとそれを見よう見まねでやると。
(青木)それを悩んでたんですか?
(杉崎)悩んでました。本当に自分流ですから、違うところから中途で入ってきた人は、違うやり方をやってくるわけですよ。そこでなんとか、高輪流の営業方式ができないかなということを考えていたなかで、そういう担当者から「質問型営業®」の話があったときに、私は以前から営業マンというものは人の話を聞くことが大事だと思っていましたから、飛びついたわけですね。
(青木)質問型営業®というものによくピンときていただいたんですね。
(杉崎)やはり質問することで、お客様が答えるんですね。自分でも質問されたときに思うんですけど、意外と気づいていないニーズ、「これ欲しかったんだ、必要だったんだ」ということに質問されてはじめて気づくことがあるんですね。それでピーンときて。
(青木)それで会ってみようかということで会っていただいて、それで話を聞かれて、どうだったんですか?
(杉崎)これはいいなと。書籍をまず渡されたので、それを読んで、やっぱりわたしの方式にあっているということで、研修を進めたんですね。
(青木)そのあと私も行ってお話しさせていただいたりしましたよね。
『質問型営業®にかけてみようと思って』
(円道)独自のものがないというのが、営業における課題だったのでしょうか。
(杉崎)私どもはルート営業ですから、新規営業の取り込みというのはまず、めったにないんです。新規の飛び込みのときにどういう話し方をしたらいいのかとか、それはもう全部担当者任せ、営業員任せだったんで、みんなバラバラじゃまずいだろうということで、ちょっと一本この質問型営業®にかけてみようと思って。
(青木)新規もとらなきゃなと思っていたということですね。
(杉崎)私どもの会計事務所がいつも言うには、数字をあげるには単価を上げるか、客の数を増やすか、どっちかだよということで、なかなかこう単価はあげられませんから、客の数を増やすしかないということで、一応会社で新規顧客獲得にも取り組んでおります。
(青木)いざ採用していこうといったときに、やり方が徹底しているというかね、経営計画の発表のときに質問型営業®をやるということで、みんなの前で私が話をさせていただいたんですよね。
(杉崎)年一回3月に、4月に向かっての計画発表会というものがあって、全社員、アルバイトも含めて集めて計画を発表するときに、青木さんに来ていただいて質問型営業®の講演をやっていただいたんですね。
(青木)それで、そのときに誰がするかっていうことで、今度は質問型営業®の研修を受ける者は立ちなさいといって立たせて。
(円道)会社の風土は作られていて、みなさんの前でそれやられたら、研修を受ける方々も全力コミットするしかないですもんね。逃げ場はないですけどね。
(青木)そういうことは言えますね。ま、そういうことで始まったということですね。
『“お役立ち”すればいいんだ』
(青木)いざそれでどうでしょう、始まってみて、どんな感触でした?
(杉崎)2期目も終わったんですけど、営業マンがまったく変わりましたね。特に今までは地場の客っていうものが、高輪ヂーゼルでは決まったお客さんなんですが。ところがこの質問型営業®をやってみると、同じお客さんから注文がどんどん増えてきて、130%、150%になる。つまり、われわれが扱っている商品を知らなかったということが1つ、それから競合他社に注文を出していたのを高輪ヂーゼルに注文してくれるようになった、この2つで、業績が群馬、栃木で非常に伸びていますね。
(円道)新規の開拓をっていう想定でスタートしたものが、既存客からの掘り起こしがすごいことになっているんですね?
(青木)そうなんです。これは他でもあるんですよ。他でも新規をってことでやりはじめて教えたんですけど、それがルートで使ったら今のお話のように、なんかそっち側で忙しくなっちゃって、それこそ新規もやるんですけど、売り上げが上がったっていうね。まさにその例ですね。
(円道)ちなみに、どのくらいから影響が効果として出てきた感触なんですか?
(杉崎)だいたい1年終わってからですね。というのは、1年目までの間に研修を受けた人間が、それ以外の営業マンに、こういう風にやるんだよと教えているんですね。ということで、だいたい1年を過ぎたあたりから徐々に地場のお客さんからの売り上げが伸びてたり、研修を受けてない営業マンからの売り上げも増えてきたリと、今期は非常に伸び方が急激になっていますね。
(円道)ちなみに前年比でいうと、どんな程度なんですか?
(杉崎)今年、群馬では1億円売り上げが増えましたから。
(青木)何%アップぐらいなんですか?
(杉崎)25%ぐらいアップになっていますね。
(円道)1年で。
(青木)はい。
(杉崎)だから、3億が4億になっているというような売り上げなんで、これはもう驚異的ですね。
(円道)上のほうの経営戦略上で何かやったというよりも、ほんとに現場が動いた結果として積み重ねとしてあげてきたという数字ですもんね。それって、なかなか出ないですよね。
(杉崎)そうですよね。特に群馬では、ちょっとこう、敬遠されていたお客さんがガラッと変わってきましてね。今までは出し渋っていたようなところがあったのが、いまは高輪ヂーゼルに注文を出してくれていると。これはビックリしました。
(青木)ところで、社長は週報の報告を受けていて、その中にも“お役立ち”とかいう言葉がいっぱい増えてきたとか?
(杉崎)そうですね、まだ研修を受けてない人間から“お役立ち”っていう言葉が週報に出てきているんですよ。これは何?っていう感じで、これほどお客様に対して“お役立ち”っていう精神が浸透してきたんだなと。で、彼らが「営業が楽になった」と言うんですよ。今まで、提案しなくちゃいけない、売り込まなきゃいけないっていう気持ちが無くて、お客さんのところへ行って質問して、こういうものが必要だったんだっていうことがわかると、お役立ちすればいいんだっていう気持ちで営業するから、すごく気持ちが楽ですと。これが一番びっくりしましたね。
(円道)お役立ちすればいいんだって言うんですね。お役立ちしなきゃいけないって思いがちなところが、そうじゃなくて。
(青木)社長はそういう声や週報を見られて、そういう変化があったことに、どういう風にご自身では感じておられるんですか?
(杉崎)研修を受けていない人間までが“お役立ち”という言葉を使っているということは、しっかりと研修を受けた人間が社内展開をしているんだなと。普通だったら研修を受けた人間だけが知ってて、それをまた社内展開するっていうことは、なかなかないんですけれども、それを17時半過ぎたあと営業マンを集めて、そこで展開していくっていうやり方は素晴らしかったなと。
『質問型営業®×経営計画書』
(円道)もともと高輪さん的に、そういう文化があるのではないんですか?
(杉崎)そういう文化は、私共の経営計画書で育成の方針というものを作っていて、入ってから半年以内に高輪スタンダードを学ぶとか、そこにはトレーナーを付けるということも書いていますから、そういう育成方針に沿って支店長がいろいろやっています。
(青木)お手元にあるのが経営計画書ですよ。
(円道)これ会社のなんですか。ざっくり100ページぐらいありますよね?
(青木)研修をやるでしょ?そうしたら質問型営業®で学んだことが全部ここに入ってくるんですよ。
(円道)これすごいですね。ちょっと見てもいいですか?ちゃんと製本されて全社員に配られるわけですか?これはちょっと、別のところでゲストに来ていただきたいぐらいです。すごさを皆さんに伝えにくいんで、、、。130ページにわたって、すべて製本された、全社員ですか?メンバーたちも名前が出て。
(杉崎)一倉定さんていう経済学者の方式に従ってやっているんですけども。
(青木)一倉先生のね。それが今では高輪スタンダードになって、独自の計画書にね。
(杉崎)利益計画等は一倉定さん方式を使っておりますけども、方針書っていうのはわれわれ独自の新しい方針がどんどん追加されてきていますね。
(青木)いま1期、2期それぞれやっていただいて、1期にはアドバイザーとして常務に出ていただいたり、そのあとには役員の方に出ていただいたり。今度はまた3期もやることになっているのですが、どうですか2年経ってみて、どういう風に感じられてます?
(杉崎)だいぶ定着してきていますね。さきほど言ったように“お役立ち”という言葉が週報に報告されていることだけでなく、実績ベースにも数字に現れているということで、非常に効果を感じております。それだけではなくて、青木さんが言っておられる“なごみ”という部分においても、社員同士で質問をするとかコミュニケーションもアップしてきたなと感じますね。この質問型営業®というのは、お客様だけでなく社員間でも使えるコミュニケーションツールですので。
(青木)そうですね、うちでも質問型コミュニケーション®という協会を持っていますからね。
(杉崎)相手に興味を持ち、好きになり、感じた質問をすればもっと親しくなれるということで、社員間のコミュニケーションとして良くなってきたという風に感じていますね。
(円道)そうですか、すごいですね、青木さんの質問型営業®というメソッドが、こういったちゃんと社内で育成とか、いろいろなことが浸透している風土がある優秀な会社が掛け算すると、瞬間とはいわないですけど1年後にはものすごい効果が出てくるということなんですね。
(青木)ベースがきちっと整っていますし、元気の出る朝礼とか、掃除もやっておられますし、教育をやっておられるから。方針ももっている。そうすると、枝葉というわけではないですけど、一番ベースのコミュニケーションのあり方とか営業マンのあり方、ここがうまくいきだすと、本当にうまくいき出す。やっぱりね、みなさん真面目に受けておられました。熱心に受けておられました。
(杉崎)私どもの社員のいいところは、やっぱり真面目、誠実なところですね。
(円道)その自信を持っている社長がすごいですね。
『人生における習慣を身につければ成長する』
(円道)ところで、質問型営業®をこれほどまでにうまくいかせた社長ですけど、やはり青木毅の質問型営業®というものをいかにうまく使うかが重要だと思うんですよね。自分たちの会社にソフトとしてというか。で、結果的にはそれをうまく自分のスタンダードにもっていくというのがポイントなわけですよね。
(杉崎)そうなんですよね。私どもは高輪流質問型営業®と。
(青木)質問型営業®をスタートするときにもう高輪スタンダードにする、と言って始めていますから、ここがやっぱりすごいね。だから、そのとおりになっていく。そういう経営者の方の判断というかね、やっぱりそれが大きいですよね。
(杉崎)経営計画書も、他の教育研修も、社長が決めないとできないことですから、ほんとに決めてよかったなと、感謝しています。
(青木)ありがとうございます。決められたのは社長ですから。やっぱり社長がえらいっていうことになりますよね。
(杉崎)でも出会いの運もありますよね。私もいつも、「ついてる、ついてる」と言ってますけども、出会いの運にも感謝したいと思いますね。
(青木)これ、経営者の方も聞いておられると思うんですけどね、そういう方にぜひ何かメッセージを言っていただけたら。
(杉崎)この質問型営業®は、いちおう営業という部分の手法ですけども、やはり一番の基本は“良い習慣”ということだと思うんですね。青木社長が“営業の習慣”と言っておられますけども、私は人間の“人生における習慣”というものを身に付ければ、これは第二の天性であって、その人が間違いなく成功するなということで、私がやってきたことは社員が良い習慣を身につけるということを徹底にやってきました。
(青木)その良い習慣というのは、“お役立ち”の気持ちとかも含まれますよね?
(杉崎)もちろん含まれますね。ただきちんとした、例えば睡眠を6時間半以上とるとか、自分の一日の生活をきちんと習慣づけるということを基本に経営しています。
(青木)そういうところがまた身についてくるよと。コミュニケーションだとか、いろいろなことがうまくいくようになってきますよね。あとこういうこと導入したらどうかなと考えてられる経営者の方にぜひ、何かひとこと言っていただけたら。お気持ちのほうを。
(杉崎)間違いなく、この質問型営業®というのは営業における基本だと思っていますから、一回ぜひ試してみられたらいいと思うんですね。これはやってみないとわかりませんから。ただ一部の社員だけやっていると浸透しませんから、私どもみたいに営業マンほとんどすべての人に受けてもらうことで、完全に質問型営業®が浸透すると信じています。
『信頼度をあげる質問型営業®』
(円道)今のお話のところで質問なんですけど、いいですか最後に。ひとつの人材投資じゃないですか。教育の投資をするうえで、質問型営業®というものに経営者として投資をするという感覚で、経営判断として投資感覚として質問型営業®をどう見るかという側面を聞きたいなというふうに。
(杉崎)まあ、それなりに金額も張りますからね。張りましたけども、その価値は十分にあった、投資として見返りは十分あったと、私は思いますね。
(円道)回収ってどのくらいの感覚で最初はじめられていたんですか?
(杉崎)あまり回収ということは考えたことはないですね。ただ、質問型営業®をやることによってお客様のニーズを感じてもらって、こちらから売りつけるのではなくお客様が最後に「ください」と言ってくださるという、この部分が一番お客様との関係のなかで大事かなと。そうすると売りつけられた感覚はないから、例えば細かい金額のことも言わないお客さんがたくさんいるんですよね。それは、われわれのことをそれだけ信頼してくれてるからですね。そこが一番うれしいですね。
(円道)そういう社員たちが作り上げられていくことが、投資としては成功したなということですね。
(杉崎)そうですね、高輪ヂーゼル全体の信頼度が上がっていますね。
(青木)まあ、結果として売り上げもあがっているわけですしね。われわれやるほうにとっても、営業というのは反応として売り上げが必ず出てきますからね。そういう意味ではやりやすいというところもありますよね。
(円道)ということで今回は、高輪ヂーゼルの杉崎社長にお越しいただきました。ありがとうございました。そして次回は、高輪ヂーゼルの群馬の支店長をされている本田さんのお話をお伺いします。横で先ほどからニヤニヤされながら、言いたいことが山ほどありそうなエネルギーを感じていたんですが
(円道)相当優秀な社員の方だと聞いておりますので。
(青木)その本田さんが出たあとに、社長にはまた最後のお言葉をいただくという風にお願いをしております。
(杉崎)ありがとうございました。
(円道)ありがとうございました。
(青木)ありがとうございました。
売上が昨年対180%を超えた!
高輪ヂーゼル株式会社 群馬支店長 本田様
『質問型営業®を通じて見えてきたもの』
(円道)こんにちは、円道一樹です。「青木毅の質問型営業®」青木さん本日もよろしくお願いします。
(円道)本日はゲストとして、高輪ヂーゼル株式会社の群馬支店長の本田さんにお越しいただいております。本田さん、よろしくお願いします。
(本田)よろしくお願いします。
(青木)前回にも社長のお話しでありましたけれども、群馬とかでものすごく売り上げを上げているというね
(円道)その張本人なんですね
(青木)船頭役ですからね。本田さんは1期生で、1期で選抜された中のメンバーなんです。
(円道)まずせっかくですので、質問型営業®の導入前のお話からお願いします。
(青木)そうですね。まず本田さんが選抜されて、あのとき6名でしたもんね?
(本田)そうですね。
(青木)こういうの導入するよということで指名を受けたと思うんですけど、どういう気持ちでしたか?
(本田)私自身はそういうの好きなんですね、どちらかというというよりも、研修とか自己啓発とか、そういうのが好きだったので、私自身も高輪ヂーゼルの営業スタイルって、変な言い方すると個人商店のように各担当が自分の色でやっているというのがあるなということで、逆に言うと自由度があったりとかあったんで、弊社の杉崎が、うちの営業はこうなんだと指し示してくれたことが、すごくいいなと正直思ったんですね。
(青木)受けるにあたって、どんな感じでしたか?
(本田)当時はわたし担当だったので、とにかく自分の力になるように取り入れたいなと。
(青木) そういう気持ちでいざはじまって、研修は8回あって、セルフマネージメントといってマンツーマンものもありますし、はじまってみてどうでしたか?
(本田)一番よかったのは、各支店の営業のキーマンが集まったことで、それまで横のつながりがなく縦割りだったので、みんながそれぞれの拠点でがんばっている、そっちでもこういうことあるんだ、こっちでもあるんだとか、共有できて、それをじゃあどうしていこうといか、ことがとても多かったんですね。
(青木)質問型営業®っていうのは営業のやり方を教えていくから、例えば、普通の営業会議だったら数字とか出て来るじゃないですか、ある意味ではそれを上げるためにどうするかっていうことですけど、営業のやり方とか、そういうところにそれぞれ違いが見えたわけ?
(本田)そうですね、ほんとに自分のお客さんを大切にしているのは変わらないんですけども、ある営業マンはこういうやり方、ある営業マンはこういうやり方していて、いいところも悪いところも現実は違ったっていうね。
(青木)そういう中で質問型営業®という共通項目で少しずつ揃ってきたという感じかな?
(本田)そうですね、質問型営業®の良いところっていうのと、地場で今までやってきた良いところ、もしくはだめなところをじゃあどうして直していったらいいかっていうことが、見えてきたということですかね。
(青木)見えてきましたか。
(本田)見えてきたのと、あとは弊社の杉崎の考えが全員に浸透し、そしてそれがスタンダードになった、いろんなことありますけどそこが一番だと思いますね。
『自分のやってきたことが研ぎ澄まされて、自信がつきました』
(青木)質問型営業®を学びながら現場へ行って、どういう風に変わってきました?もともと成績が良い本田さんだから、その本田さんが例えば更にどういう風に変わってきた?
(本田)例えば、簡単な言葉でいうとブラッシュアップ。自分のやってきたことがどんどん研ぎ澄まされていったっていうのが1つと、もう1つは自信ですよね。こういう風になんとなくの中で自分はスキルというか経験値として身に着けていったけれども、実際こういうことに繋がっていたんだとか。そんなことがわかりましたね。
(青木)そういう感覚で自分の営業ってなかなか振り返らないじゃないですか。自分の営業は、自分の営業だと思っていますからね?そういう中で、俺の営業は間違っていなかったとか、そういう風にちゃんとなってたなとか、どうなの、がぜん自信がでたみたいな感じなの?
(本田)そうですね。
『好意・質問・共感』
(青木)質問型営業®のパーツで一番役立ったのって何?
(本田)みなさん同様に共通言語は“お役立ちの精神”ですね。ただやる前から私、「お役に立てることはないですか?」とか言ってたんですけど、それを実現するのによかったのは、好意・質問・共感ですね。これがブラッシュアップの1つになったかなと。いつも、好きなお客さんとか、初対面でも合うお客さんとか、“なんとなく”の、あの人話しやすいなとかを、どうやってそれを具体化するかとか系統化するかというときには、好意・質問・共感だったんだと気づきました。好意を持った上で出て来る質問というのは良い質問でしたし、そうした良い質問だから向こうも良い返答してくれ、共感しやすくなるとか、成功のパターンってこの流れだったんだと。
(青木)単純なことなんだけどね。で、それを意識して他でもやるようになってきたということですね。
(本田)それと、意外と潜在意識とかそういう話が好きでした。
(円道)過去はあまり掘り返すなと言われているんですけど、ある競技で日本のトップ5に入るぐらいのアスリートだったという話なので、潜在意識とか強そうですよね。
(青木)プロを目指してテニスをやってたんだってね?
(円道)ばらしてるじゃないですか。
(青木)テニスをやっていたり、教師をやっていたりね。
(本田)個人情報がダダ漏れですね。
(青木)いろいろな経験をしてこの会社へ入って、それなりに相当な覚悟でやってきていると思いますからね。
『マネージメントとしての質問型営業®』
(青木)そういう中で自分も生かして1期が終わり、成果を上げていましたけど、今度は2期に中澤くんという部下を送り込んできて、本田さんがちゃんと電話くれるんですよ。「今度中澤という者が行きますのでよろしくお願いします」と。
(円道)そういうことちゃんとされるんですね、本田さん。
(青木)そうなんですよね。「わかった!」と言ってしごきました。
(本田)ありがとうございます。お陰様で。
(青木)また彼が成績あげているもんね?
(本田)そうなんですよ。
(青木)そういう中で支店長に昇格して、2期のメンバーも育ってきて、今度はマネージメントで質問型営業®という感じですよね?
(本田)そうですね。
(青木)これをどう使っているかっていうことですけど。
(本田)先ほど言った、好意・質問・共感で、その繰り返しってあると思うんですけど、それは一緒じゃないんですよね。最初はコミュニケーションで信頼関係を作るための好意・質問・共感。そこから仕事の話題に持っていくための好意・質問・共感。このレベルっていうのが1.、2、3、次は4、5、6、7、8、9と。
(円道)らせんのように上がっていくイメージですね?
(本田)この子ここまで来たなというのが、非常にわかりやすいんですよね。3週目の2個目まで来たなとか。
(青木)おお、すごいね。
(本田)僕はそういう風に使わせてもらっているんですけど。
(青木)つまりまず仲良くなることから、現状を聞くことから、自分の仕事へ入っていくと、こういうレベルね。そういうのをどうやって検証しているんですか?
(本田)同行訪問しますので、お客さんと話している姿を見てわかります。
(青木)で、それを更にバージョンアップさせてあげるために、どういう指導をしているんですか?
(本田)もちろん同行と、うちの社長も言っていたように社内展開ですよね。社内営業研修をやって、ロープレもやりますし、あと一番大事にしているのは、みんなの成功体験と失敗体験を話し合うんです、発表し合うというか。
(青木)ミーティングで?
(本田)そうです、その社内営業研修で、例えば先ほどでてきた中澤というものが、「こういうことで成功して売り上げがこうやってあがっちゃったよ」とか、「売り上げとかだけじゃなくてお客さんと仲良くなってさ、実はあのお客さん俺の友達と仲良くてさ」とか、そんな成功体験をみんなで出し合うんです。私が講師としてやるということはあまりしないで、みんなの成功体験とか、そういうのを今話あっているところですかね。
(円道)教えるというよりも、本田さん自身はファシリテーションをしている感じですね。
(本田)そうですね。みんなが教えたり学んだりですね。教学半(きょうがくはん)ということばがあると思うんですけど。みんなで教えあったら、「あ、これってこういうことだったんだ」って気づくんですよね。そしたらさらに自分で学ぼうとしますよね。学んで教えてあげなきゃと。そんなことをやっています。
(円道)マネージメントをする上で、質問型営業®というものがあるからこそやりやすくなったとか、そういったものってあるんですかね?
(本田)もちろんその通りですね。フォーマットとしてありますので、どこまでできているのかっていうのはみんな共通言語でわかって、中澤も部下を育てるときに、「ああなるほどね、じゃあこういうことやってみたら?」とか、さっきのらせんの次の一歩を教えてあげられるということですね。
『支店の全員が目標を達成した』
(青木)そういう中で、伸びてきた部下がいると思うんですけど、例えばどんな例がありますか?
(本田)具体的に言うと、私がいち担当だったとき、実は群馬支店て100%以上達成しているのは私しかいなかったんですね。
(青木)ずっと群馬なんだよね?
(本田)そうですね。青木さんの研修を受けさせてもらってから180%とかクリアして、僕がクリアしてから支店が全部クリアしたという状況だったんですね。
(青木)すごいね、180%になって。
(本田)でも、今年4月からは全員100%になりまして、それで支店も当然100%になって。
(青木)全員100%になったの?
(本田)全員100%ですね。
(青木)何人いて?
(本田)4人ですね。4人の営業マンが4人とも108%~120%ぐらいですかね。
(青木)すごいじゃないですか。
(本田)全員がなっているので、そこが成果ですね。
(青木)それ、どうやってなったの?
(本田)これをずっとやってきた成果ですよね。
(青木)でもそれってなかなかうまくいかないということあると思うんですよ、教えててもわかってくれないとか、なかなか飲み込みが悪いとか、言ったとおりやらないとか、それはどういう風に是正していってるの?
(本田)この研修でもありましたけど、セルフマネージメントですよね。私がセルフマネージメントの先生じゃないですけど、人生の先輩だったり、営業のキャリアの先輩だったりというところで個人面談で話をしたりとか、結局できるできないは、心の問題だったりすると思うので。
(青木)要はセルフマネージメントで、言ってみれば質問型営業®のやり方を面会で使うということですよね?
(本田)そうですね。いろいろ社長に研修をしていただいていて、どうやって心の問題を解決していくかということを、他のものでやっているんですよね。そういうロジックがうちはいろいろあるので、私としてはどう組み合わせて、社長の思いであったり考えであったり、また個人としてどうあるべきかということを教えているというような感じですね。
『質問型営業®から高輪スタンダードへ』
(青木)個人が180%でそれが事業所を達成したというところから、よく全員が100%のところまで持って行ったね?
(本田)いやこれは私じゃなくで、先ほどあった経営計画書じゃないですけど、みんなに社長の思いや考えが届いているからなんですよね。で、やっぱり、一瞬じゃなくてやり続けることを社長が絶対折れないでやってくれる、だから社員であるわれわれも折れるわけにはいなかいんで、やり続けたら結果が出たということなんですね。
(青木)マネージメントの能力というのも非常にうまく使って、自分なりに考えて、ただ単に租借してやるんじゃなく、自分の中に落とし込んで、その中で事業所の中で展開するかということをたぶんやっていると思うんですよね。大したもんですよ。
(本田)いやいや、社長が用意してくれたものをただ組み合わせただけなんです。
(青木)いやいや、よく言いますよ。それで、質問型営業®というものを受けてみて、結局自分の中ではどういう印象ですか?
(円道)あえてうがった言い方をすれば、本田さんはもともと営業成績抜群の方ですから、無くても本人としては成績出せた方が、今回質問型営業®があってどうかということですよね?
(本田)共通言語ができたっていうことですかね。
(青木)社内でね。話したり聞いたりするわけもわからないところを、ひとつのシステム化できて、そういう中でポイントを押さえることもできるようになったと。それをまとめて質問型営業®、高輪スタンダードになれたというところが一番良いっていうことでしょうね。ありがとうございます。また3期もはじまりますけど、メンバーを含めそれに取り組んでおられる皆さんに対してのメッセージがありましたら何か。
(本田)一番良いのは自分と向き合えるということですね。自分と向き合って、青木先生も自分を許すっていう表現で仰ってますけど、自己理解ができれば、自分てこうだからこういう風にしなきゃってブラッシュアップができると思うんですよね。そこが個人として受けたときに僕はすごく良いなと思います。
(青木)でも今のは素晴らしい、ほんと。自分をしっかり見つめるというのは、自分を受け入れるということだからね。そしたらあとは、どういう風にこの自分がやっていくかってことに考えがスタートするもんね?
(本田)そうなんですよね。
(青木)それがおそらく、自分がやると、人にも受け入れられて、そうやって指導がはじまるということだと思うんですよね。まあほんと大躍進ですから、噂にも聞いていますからね。私ども3期も頑張ってやりますので、ぜひその後押し、現場での指導をよろしくお願いしたいと思います。
『質問型営業®で作る自社の営業スタンダード』
(青木)では社長、本田さんのお話を横で聞いていただいてましたけど、どうでした?
(杉崎)案外、知らないことがたくさんあってね、成功体験を社員みんなで話し合うというのも、まったく知らなかったし、いや素晴らしいなと。彼はネガティブだって言ってましたけども、私はあまりそう思っていなくて、ただ心配性なんだと思うんですね、言い方を変えれば。日本人て一番心配性な人間で、遺伝子レベルでそういう心配因子っていうのがあるんですよね。だから心配性だってことは、次の手を打つ何かをしなきゃいけないっていうのが一番強いんだろうなと、それが結果を出していると思うんですね。
(青木)やっぱり優秀な人ってみんながそうですよね。心配性というか、先に先に手を打っていくというかね?
(杉崎)そういうことだと思います。
(青木)いろいろ聞かせていただきましたけど、どうでしたか、円道さん?
(円道)私ですか?いやもう、なんていうか、高輪ヂーゼルさん×株式会社リアライズの質問型営業®の掛け算がすごいですよね。こう飛躍するのかと。所詮どんなに質問型営業®がすごくても、掛ける相手が1だったら100掛けても、100なんですよ。それが高輪ヂーゼルさんのような100に掛けたらこうなるかという感動でしたよね。
(青木)やっぱり土壌をきちっと作っておられるというのが素晴らしいですね。
(杉崎)彼は支店長になってから必ず一人一人のコメントを週報に入れて来るんですよ。彼がどういうことを望んでいるかということと、どこまで達成したかっていうことを、彼だけが週報でコメントを入れて来るあたりが素晴らしい。よく良いスポーツマンは良い監督にならないっていいますが、その点彼は素晴らしい営業マンであるだけでなく、良い監督にもなれるなと感じています。
(青木)一人一人をちゃんと見てあげているってことですね。そういうことで、本日はありがとうございました。ぜひ声を聴いていただいている皆さんも、会社での活用に、大いに参考にしていただいたらと思います。ということで最後に、杉崎社長、ひと言。
(杉崎)ちゃんとした営業スタンダードというものが出来上がってきたなと。他のどんな会社でも使えると思いますので、ぜひ一回、試してみるということも大事かなと。何にもやらなければ何にも学べません。この質問型営業®が自分の考えにぴったり合うなと思って、そして実績が出たということですから、みなさんためらわずに一歩踏み出してみてはいかがかなと感じています。
(青木)やってみないとわかりませんよね。とにかく実践を。ありがとうございました。
(円道)リスナーの方々もいかにこの質問型営業®が素晴らしいのかを改めて聞かされてしまったような気もすると思うんですが、一方で高輪ヂーゼルさんという会社すごく面白いなと思った方もいると思うので、若い方だったら入社するとか、採用試験を受けるのも含めて、ポッドキャストを通していろいろ良い関係ができたら嬉しいですね。
(杉崎)ぜひホームページを見ていただいて。元気が出る朝礼っていうのが今、大田区でもすごく人気が出て、いろんな会社でやっていますから。
(青木)一回話してみたいなと思ったら、社長に電話してください。
(杉崎)ぜひ。朝礼見学も歓迎していますので。
(円道)本当にすてきな社長で、本田さんもすてきですし、ぜひみなさん交流していただきたいですね。というわけで、第2回にわたって、杉崎社長と本田さんにお越しいただきました。
本日は本当にありがとうございました。
(杉崎)ありがとうございました。
(本田)ありがとうございました。
(青木)ありがとうございました>